秋編-2 拒絶

あなた…許して…

情欲から覚め、後悔の念に襲われるルシア。
まるで自分が2人いるようだった。快楽に溺れている中でも、妻としての自分が心のどこかで悲鳴を上げている。しかし調教によって目覚めさせられた肉奴隷としての自分が、肉体を支配し、肛虐に喜悦の声を上げ、夫を裏切る行為にすら快感を覚えてしまう。
このままでは、自分はまた令二に支配されてしまう・・その日ルシアはある決意をする。


ん、んん…

夜中に股間に熱い感触を感じルシアの夫が目を覚ます。ズボンは脱がされ、己のイチモツがしゃぶられていた。ルシアであった。

んむぅッ…うぅんッ…じゅるぅ‥じゅぶっッ!

ル、ルシア!? なっ、なにを‥!?

あっ、あなたぁッ、お願い‥ルシアを抱いてッ!

そう言うとルシアは、夫の腰の上にまたがり、天井を仰いだ夫のイチモツを、自らの秘孔にあてがい腰をうずめようとする。

お尻を、ルシアのお尻を抱いて‥

肛姦に屈してしまう女に変えられてしまったのなら、夫に支配してほしい。すがるようなルシアの思いでのぞんだ夜這いだった。

やめろ! 汚ないッ!

そう叫ぶと夫は、片手でルシアを突き飛ばす。バランスを崩し後ろに倒れるルシア。VIP用病室のキングサイズベッドでなければルシアはベッドから突き落とされていただろう。

あ…あのッ…あなた…

怯えながらルシアが夫に弁解の言葉を喋ろうとするが、それすら夫は許さなかった。

出てけッ!

ご、ごめんなさい…

夫のズボンを引き上げると、半裸のままルシアは逃げるように夫の病室を出ていった。


昨日は言い過ぎたよ。ごめんルシア。

翌日、恐る恐る病室を訪れたルシアに夫が謝罪の言葉をかける。

私の方こそごめんなさい。どうかしてたわ…

それにしてもよりによって、何であんな不潔なトコでしようとしたんだい?

あ…あなたが子供はまだ欲しく無いって…だからアソコなら妊娠しないから…

本当のことを話せず、必死に言い訳をするルシア。

はぁ‥そういうことじゃないんだ。ルシア。
いい機会だから言っておくよ。
僕はもともとセックスが好きじゃないんだ。
わざわざ獣に成り下がるような行為はね。
新婚時代じゃあるまいし、僕たちはそんなものからは卒業する頃だよ。

それに正直に言うと僕は子供も作る気はないんだ。
きっと親達は色々言うだろうけど、
僕達二人は子供なんていなくても、ずっとうまくやってきたし、
逆に子供なんて作ればうまく行かなくなることだってある。
生活のレベルだって下げなきゃなんない。
わかってくれるだろルシア。僕たちは夫婦なんだから。

薄々気付いてはいた。しかしその口から夫の本音を聞き、ルシアは泣きたくなった。
親の決めた許嫁と当たり前のように結婚し、当たり前のように夫を愛して来た。
時が来れば、当たり前のように子供を産み、両親のような幸せな家庭を持てると思っていた。
しかしそうではなかった。相手の価値観を確かめる機会も無く結婚してしまうことが、こんなに悲しいことだとは思わなかった。

しかしそれでも諦められなかった。

あなた…わかって。私も女なの。抱かれたいし、子供も産みたいの!

ハァ…我慢してくれルシア。時が経てばそんな衝動も薄らぐはずだから。夫である僕に従ってくれ。

令二との事がなかったとしても、いつかは訪れたであろう夫婦の価値観の違いが明白になる瞬間。それが今だった。


その後、夫とどんなやり取りをしたかルシアはよく覚えていない。自分が心情を訴える度に返ってくる「夫婦だから」「従ってくれ」という夫の言葉の断片しか思い出せなかった。